ウェブマガ > 1957年 > サントラ・セッション「監獄ロック」 > TREAT ME NICE

X 4 TREAT ME NICE (MIKE STOLLER-JERRY LEIBER)
1957/04/30 2003-01.FS
2003-02.FS
2003-03.PB
2003-19.PB(M)
"FLASHBACK"
"FLASHBACK"
"FLASHBACK"
"CLOSE UP"
1957/05/03 2008-06.PB
2008-08.PB
2008-10.PB
2008-11.PB
2008-12.FS
2008-13.PB
2008-SP(10&13).M
"TODAY,TOMORROW AND FOREVER"
未発表
未発表 (マスターに使用)
未発表
"CLOSE UP"
"CLOSE UP" (マスターに使用)
EP "JAILHOUSE ROCK", EE, JRS
1957/07/30 FILM VERSION DVD "JAILHOUSE ROCK"
1957/09/05 RCA VERSION SINGLE "JAILHOUSE ROCK / TREAT ME NICE"
   JRS = 海賊盤 "THE JAILHOUSE ROCK SESSIONS"    EE = CD "ESSENTIAL ELVIS"

2003
2003 : 後にテープが発掘されますが記録上は「no prints」です

 「2003」は、MGMの資料上、保管の対象とはなりませんでした。FTD「FLASHBACK」のテイク1〜3や、4CDs「CLOSE UP」のテイク19を聞いてみると、手拍子が入っていないバージョンであったことが判ります。

2003 TAKE 1.FS 2.FS 3.PB

2003 TAKE 19.M

2008

 「2008」は、手拍子付きバージョンです。下記フィルム・バージョンに使用されることになったオーバーダブ前の編集マスター(10+13)が、CD「JAILHOUSE ROCK-LOVE ME TENDER」などに「MOVIE VERSION」として収録されています。テイク10としてRCAに渡されたテープは、実際には編集マスター(10+13)だったようで、CD「ESSENTIAL ELVIS」で発表された「未発表テイク10」も、波形解析の結果、編集マスターであることが判りました。CD「ESSENTIAL ELVIS」では、編集マスターが「2008」とされるべきところを「Two Thousand-Nine,Take Ten」とアナウンスされています。非常に紛らわしいですね。
4CDs「CLOSE UP」で発表されたテイク12では、ビル・ブラックがこのセッションで初めて手にしたエレクトリック・ベースに手こずる様子がうかがえます。ビル・ブラックのイライラは蓄積されて、この日の後半に録音されることになる「BABY,I DON'T CARE」で爆発しました。

2008 sp (10 & 13).M

【マスター・テイクの編集方法】
映画で2回使われた「Treat Me Nice」の編集マスターを、4CDs「Close Up」に収録されたテイク13と聞き比べて見たら
編集マスターの「最後のブレイク」以降にテイク13が使われていましたので、残りの大半はテイク10だったことが分かりました。
マスター編集方法

 フィルム・バージョン(スタジオでの場面用)は、1957年7月30日に「2008」編集マスターへギター(Sweetener)をオーバーダブして完成しました。CD「THE GREAT PERFORMANCES」には、ステレオ・ミックスで登場しています。実はフィルム・バージョンは、もうひとつあります。劇中、プロモーションとしてラジオ局で掛けられるレコードには、「Sweetener」は聞かれません。「2008」編集マスターをそのまま使用してしまったことは、研究書籍でも取り上げれられていませんが、おそらくMGMの手抜きです。
web追加情報
2007年夏に発売されたDVD「Jailhouse Rock - DELUXE EDITION」で聞かれる2つの「Treat Me Nice」はどちらもあまり出来が良くありません。スタジオで歌うバージョンは、手拍子がダブって聞こえるし、CD「THE GREAT PERFORMANCES」に比べるとステレオ感に欠けます。DJレコード・バージョンは、場面が切り替わると音も変わってしまう違和感を感じさせます。


FILM VERSION

 レコード・バージョン(H2PB 5523)は、1957年9月のRCAセッションでレコーディングされました。手拍子は付けられませんでしたが、エルヴィスがギターを叩きまくった「エルヴィス・サウンド」を聞かせてくれます。「RCAの」バージョンですから、1957年発売のシングル「JAILHOUSE ROCK」のB面では発売されたものの、同年のサントラEP「JAILHOUSE ROCK」には収録されませんでした。

RCA RECORD VERSION

【20XX年度版考察への宿題】
「Treat Me Nice」は当初、映画タイトルだったのに、「Jailhouse Rock」にその座を奪われ、サントラEP(→)からも外されました。78回転と45回転のシングル「JAILHOUSE ROCK / TREAT ME NICE (20/47-7035)」で発表されたのは、1957年9月のRCAセッションでレコーディングされたバージョン(H2PB 5523)です。つまりMGMサントラ・セッションで録音されたバージョンは、CD「ESSENTIAL ELVIS」で発表されるまで、お蔵入りしていたのです。
それなのに、見てください。RCAの記録シート(↓)では、ずっとお蔵入りしていたサントラ・セッションのバージョン(H2WB 6778)の欄に、シングルのレコード番号「20/47-7035」や「ゴールデンレコード第一集」のレコード番号「LPM-1707」が書き込まれています。
一方、それらのレコードで発売されたRCAバージョン(H2PB 5523)の欄は、(折り目で消えていますが)「H2PB 5524」と数字がひとつ大きくなったようにも見え、大きな「×」が書かれているのです。同セッションではマトリクス・ナンバー「H2PB 5524」が飛ばされているんですよ。
まだ語られたことがない話がここにあると思いますが、2008年版考察の複雑さに私はもうフラフラです。楽曲を管理しているBMGに、もうちょっと「やさしくしてね」と私は言いたい(笑)
ORIGINAL EP
ORIGINAL EP (5 Songs)
H2PB5523 H2WB6778


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