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クレイジーキャッツ考? クレイジーキャッツ考? 2002/12/13 1.「神の啓示」 このHP鑑賞ノートに頻繁に出てくる"フロム・ナッシュビル・トゥ・メンフィス ('60's Masters Box)"の解説を読んだ時に (様々な人の評価を知ると大瀧詠一さんは半ば神格化された人物のようですから、この表現を使うと) 神の啓示」を受けた気が 「あっ!俺と同じ傾向の人がいた!」 こんな文章載せるから誹謗中傷が怖くて、BBS設置出来ないんだと自分でも分かってます。 同じ傾向とは言っても「質」「量」共に遠く足下にも及ばないことも。(「私が」ですよ)。 それでも同じ傾向と思える人を見つけたウレシサは、暴走気味な表現が丁度よいと思っています。 本当は次のような「啓示」でした。 余分な考えは振り払え、「エルヴィスをもっと良く聴き込む様に」。 そして大瀧詠一氏の作品等を知るにつれ、考えは次のように。 アチラは「ナイアガラ」、コチラは一発逆転狙っても、いつもボテボテの「内野ゴロ」。 2.「きっかけ」 "'60's Masters Box" の解説文が、私に大瀧さんへの興味を持たせる「決定打」となったのは間違いないですが、 「エルヴィスの方から」大瀧さんを知った訳でも無いのです。 (こう言う場合の「〜の方から」は、実に曖昧かつ身勝手な表現ですね。要注意! 一時期話題となった「消防署の方から」消火器を売りに来る訪問販売員もこれに当たるのでしょう。) 「神の啓示」を受ける以前に、私は無意識(無知識)に彼の作品を手にしていました。 2枚組CD「クレイジーシングルス/ハナ肇とクレイジー・キャッツ」に収録された 「実年行進曲」と「新五万節」が、これに当たります。 ディスク1に魅力を感じて購入したのですが、ディスク2の最後を飾る上記2曲は 「期待していなかった」反動もあってか、非常に気に入りました。 (私の場合、予告編を見て「期待して」見る映画はハズレて 「何の気もなく」見る映画に「MY名作」を見つけ出すことが多いんです。 裏に返せば、ハズれない安心感をエルヴィスに聴いているのかも知れません。) ここで「クレイジーシングルス」の極めて簡単なレビューを ・ディスク1−8 ショボクレ人生 同CD中一番気に入りました。まず歌詞がイイ。 「みっともないから およしなさい」のメロディーもどこかで聞き覚えがある。イイ。 最後の歌詞「一人前」を「いちにんまい」と発音するのは、何処の言葉なのかは知らないが 「ディスク1−6 ハイ それまでョ」でも「さんにんまい」だから 揺るがないところがイイ。誉めだしたらキリがないぐらいイイ。 (当HP使用ID "showberkeley_jimsaid" も勿論この曲名から。 英語表記の MAINPAGE "Anything That's Part Of The King" を是非とも強化して地球の裏側の人間に 「ショボクレ人生」と発音させたい気持ちが、当HPを開設させたんです。 (このクダラナサに、ほとんどの人はあきれるでしょう。) ですから「ラスベガス万才」ばかりでなく全てのセッションについて メインページ内に載せようと思ってます。 ちなみに「ラスベガス万才」は、地元横浜ベイスターズに関して 今年唯一の嬉しいニュースを聞いたのをきっかけに追加しました。 個人のHP更新って、気分次第みたいです。) ・ディスク1−16 ホラ吹き節 オケを使用した為なのでしょうか??ヴォーカル再生時はモノラルです。 ですから間奏に移る際に楽器が左右に広がって、あたかも「囃し立てる」様でオモシロイです。 逆に間奏からヴォーカルに戻る際は、植木さんにピンスポットを当てる効果と判断しました。 意図的なのかは解りません。 詳しく語れるほどクレイジー・キャッツを調べていませんし、私は「エルヴィスの方の」人間ですので。 ・ディスク1−17 だまって俺について来い 「みろよ 青い空 白い雲」等、曲中、気持ちが大きい時には深いエコーが掛けられています。 ただそれだけの事なのに、聞く度に「スゴイナァ」と感じます。 ただそれだけを聴くために何度もCDをリプレイしたりして。 (最近の曲は、やたらに長いものが多いですね。 地元FM局に「登竜門型」人気投票のHPがあってたまに覗くのですが、平気で5分かかる曲があります。 シングルって2分前後にまとめて「何度も聴かせる」のが こういう長い曲は、「売るのに必死」な感じばかりが伝わって、買う気が起きません。 「伝えるのに必死」なら歌として合格なのです。 こういったニュアンスって全ての表現で共通でしょうけど、「微妙」なものです。) ・ディスク2−19 実年行進曲 この曲を最初に聴いた時点では「大瀧詠一というクレイジー・フリーク」の存在を知っただけでした。 でもよく出来てる。分かり易い。 (分かり易いと言えば先日、映画「たそがれ清兵衛」を実年世代の観客に混じって観て来ました。 分かり易い映画でした。分かり易さは、そういった世代に受ける秘訣でしょうか。 せめて娘が墓参りをするシーンを冒頭に持って来たかった。これはシロウト考えか。 加えて真田広之に「ぜんぜん」って台詞を言わせたいのは、私だけの傾向か。) ・ディスク2−20 新五万節 「実年行進曲」の分かり易さに対して「新五万節」は、 さりげなさ過ぎて聞き逃してしまいそうな「メドレー形式の間奏」がスバラシイです。 曲の中程「お呼びでない」のシーンで植木さんの発する「アレ!」もスバラシイ。 分かっていながらの、この「アレ!」は、滅多なことでは表現出来ないはず。 いったい植木等なる人物は、彼の人生において何度「アレ!」と発音したのでしょう? きっとギネス級。年季が入っている。 (この曲は6分近くあるなぁ。「2分前後」とする前言をもう撤回しなければいけないかな。 少なくともこの曲に「冗長さ」は感じないから。) "'60's Masters Box" の解説文が、私に大瀧さんへの興味を持たせる「決定打」だった事は上に書きましたが、 2枚組CD「クレイジーシングルス」は、「決定打」が出る前の「コツコツためたランナー」だった訳です。 3.「人物像」 大瀧さんは「自らの道に没頭するあまり周囲が期待すれど、ナカナカ演ってくれない」人物らしいですね。 立川談志 "家元" と同じ傾向を感じます。シャイな感じも共通して受けますし。 「他人の評価のために自分の仕事を完結しているわけではない」という自分の気持ちを ヒジョーに大切にしている方々なのか? 完全主義者故に「完成を完成と認めきれない」のかな? その逆に「完成までの過程を楽しみたいのに、いざ取り掛かると大した手応えもなく到達してしまう」才能 の悲しみを感じてしまうのか? いずれにせよ凡人ではナカナカ「実行」出来ないことですよ。 4.「いかすぜ!この恋」 ふた昔まえのある時期、AM0:17(0:19だっけ?)頃に、ニッポン放送をかけると「Big John A TYPE」が聞けて、 「こんなエルヴィス風の曲を誰が作ったのだろう?」と思っていました。大瀧さんだったのですね。 (「Big John A TYPE」が擬似ステレオぽいのが、ちゃんとしていてスゴイ。 あの頃、私の所有していたエルヴィスの'50'sLPは、ほとんど擬似ステレオでした。) 気付いていないだけで、ほかにもCMソングとして、彼の作品をたくさん聞いていました。 そして今は「"'60's Masters Box" の解説文の著述者」として知った大瀧詠一氏の作品は一通り聴きました。 しかし未だに聴き終えてはいません。 (例えばMIX違い等は手を出していません。だって私は.....) ここで(当然)気に入った「いかすぜ!この恋(烏賊酢是!此乃鯉)」について少々。 エルヴィスの持ち歌のタイトルを並べて歌詞としたこの曲を聴くと 私は「笑い」や「ウカレ具合」を感じ取ります。 特に邦題の歌詞に「可笑しさ」や「おかしさ(変)」を感じて。 (そもそも邦題が「ウカレ」たり「イカレ」たりしてますから。) ロックンロールって訳してみると結構「おかしい」んですよね。 日本人の多くは、外国語を訳してから「ウカレ具合」を理解しているんです。 それならばと日本語のロックを聴いても、まだまだ「ことばあそび」が足らない気がします。 「もうロックがあそんでる場合ではない」が世の趨勢なのですかね?ツマラン。 (「ことばあそび」として大瀧氏のアルバム「LET'S ONDO AGAIN」を聴くと 過度のようで過度ではない事に気が付きます。過度で初めて「ウカレル」のですから。 「ことばあそび」で思い出したけど、CD版収録の「河原の石川五右衛門」に出てくる 「チョイト 鬼さん 手の鳴る方へ」には、ハッ!とさせられました。 ピンク・レディーが「出現」する以前の日本では、「オニサン」は「ナレナレしく」はなかったのだと再確認。) 以上の推測から一見おかしな作品として捉えられがちな「いかすぜ!この恋」のあり方は 日本語文化圏では「ストレート」な事なのだと理解しました。 とりあえず2002年師走版「クレイジーキャッツ考?」これで終了。 あとがき 反省その1 このコーナーの最後で「いかすぜ!この恋」を扱うのは決まっていたので 文章全体にエルヴィスの曲のタイトルを、ちりばめるべきだったかなぁ。 反省その2 2002年師走ということで、今年「期待して見て一番ハズレた映画」をもじるつもりで、 「神の啓示」、「野球」、「振り払え」等を交え、「2重構造」をもくろんではみたけれど、見事に失敗。 (映画名は伏せておきます。) 大瀧氏つながりで「野球」が含まれただけに終わった。 「2重構造」という言葉で何かに気付かれた方へ 稚拙な文ながら、ちゃんと読んでくれたようですね。感謝! |
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