ネタ 14

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 2007/10/14 ガラスのニューヨーク
新譜『New York RCA Studio 1: The Complete Sessions』の情報が
cover elvisnews.com にアップされて・・・ガッカリ。
一部、噂に聞いていた「One-sided Love Affair」の別テイクは収録されず、唯一目新しいのは「Shake Rattle And Roll」の「アンダブド、編集マスター」だけ。
この「アンダブド、編集マスター」だって当時のテープを発見したかどうかは疑わしくて、「編集方法(おそらく下に示した波形)」さえ分かっていれば 作り直せますから、既にFTD『ELVIS PRESLEY』を購入している方は、この新譜に対して「あっという間に」興味を失うことになるでしょう。
「DVDの音質で」などとクダラネェ主張をして、高価な商品を発売していた「Memphis Recording Service」も、 いよいよ「CDにボーナスDVD付き」の『New York RCA Studio 1: The Complete Sessions』を発売しなければならなくなったのです。
壊れやすいガラスの自信に支えられた価格は、自ずと壊れて崩れるのです。
アンダブド、編集マスター



「あっという間に」 → カラスの行水



 2007/09/23 大穴
「A Big Hunk O'Love」は聞いてみないと、どのテイクが使われているのか分からないのですよ。
それに加えリンク先のamazonで扱っているのが、CDなんだかEPなんだか分からないのですよ。
Youtubeのファイルはテイク3ですけど。
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追記: amazonの表記が見直されて、「ビニール」は「アナログ・レコード」と説明されるようになりました。従って、ここに貼った『A Big Hunk O'Love』は、CD版シングルであると理解できたのであります。


 2007/09/20 Poor Boy
SNS『EPSI』では、こんなことをやっています。(10月から会員募集を再開します)
cover

映画『やさしく愛して』サントラ曲「Poor Boy」の作成過程は次の通りです。
1.1956年8月24日、20世紀fox ステージ1 でテイク3まで録音して、この日は終了。
  このテイク3は、1分40秒ほどの長さでCD『JAILHOUSE ROCK - LOVE ME TENDER』
  のトラック19に収録。(ステレオ・ミックス)
2.1956年9月4日、20世紀fox ステージ1で、3番の歌詞♪ Don't have a pig, 〜 ♪の
  部分のトラック(オケ)を追加録音。(マスターはテイク3)
3.1956年9月5日、20世紀fox ステージ1で、3番の歌詞♪ Don't have a pig, 〜 ♪の
  ヴォーカル・オーヴァーダブ。(マスターはテイク6)
4.8月24日のテイク3と9月5日のテイク6をスプライシングしてマスターを完成。
  マスターは約2分12秒(CD『JAILHOUSE ROCK - LOVE ME TENDER』のトラック13)
  RCAでのマトリクス・ナンバーは、G2WB 7259。

下の「1」と「2」の波形を見ていただくと分かるように、「Poor Boy」のマスターテイクと1956年8月24日のテイク3(モノラル化&ピッチ調整済)では、 3番の歌詞

 ♪ They call me poor boy, poor boy, poor boy
   But I ain't lonesome and I ain't blue
   'Cause I could never be a poor boy
   As long as I’ve got a dolly like you

   Don't have a pig, don't have a cow
   I don't have a horse to pull a plow
   But what I got is a heartfull of love and memories
   And that's enough for me ♪

の32秒ほどの収録時間差が確認できます。ですから、1956年9月5日に追加のヴォーカルを録音して、この32秒分を差し替えたのかと思いましたが、違いました。

マスター前半の「0:00〜1:14.85」は、波形「3」のようにテイク3そのものが使用されており、マスター後半の「1:14.85〜End」には、テイク3の「0:41.85〜End」が使用されていました。
(波形「4」を「5」の位置に移動)
つまり、マスターは波形「3」と「5」をつなぎ合わせた上で、

 ♪ Don't have a pig, don't have a cow
   I don't have a horse to pull a plow ♪

の8秒間の歌詞が差し替えられていたのです。しかし、エルヴィスがオーヴァーダブしたのが、使用された8秒間だけだったのかどうかは断言出来ません。
「Poor Boy」波形

映画『やさしく愛して』サントラ・セッションにはスコティとビルの参加が認められず、エルヴィスは「LOVE ME TENDER」の 出来にも不満をもっていたぐらいですから、「Poor Boy」のやっつけ仕事的なオーヴァーダブなんか、やりたくなかったでしょうね。でも、「We're Gonna Move」のマスターで、編集されたポイントが簡単に聞き分けられるのに比べると、「Poor Boy」の編集は器用にまとめられていたことが分かったのであります。ああ、また「器用貧乏」のひとことが言いたくて、波形解析をしてしまった(笑)



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