◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ FTD盤の聞き方 〜 第1回 〜 「Got My Mojo Working/ Keep Your Hands Off Of It」 2008年8月24日(日)ウェブマガ第1号 (発行 インスタント伯爵) ◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ | ||
エルヴィス・プレスリーのコレクター向けレーベルFTD(Follow That Dream)は、 ユーロ建てで流通するためか、内容が充実していても正直に言ってチト高い。 しかし聞く側の知識や情報を増やせば、FTD盤のコストパフォーマンスが 上げられるであろうと考えてスタートしましたウェブマガ第1号の今回は FTD「Love Letters From Elvis」 (→)に収録された 「Got My Mojo Working/ Keep Your Hands Off Of It」に関する 「知らなくても困らないけど知っていれば、より楽しむことが出来る情報」です。 ******************************* もくじ 1.セッション情報 2.ちぐはぐな感じ 3.バージョン違いの楽しみ方 ******************************* |
FTD「Love Letters From Elvis」 | |
1.セッション情報 1970年6月5日、テネシー州ナッシュビルのRCAスタジオBで録音。 ジャム・セッション形式で録られたテイク1をマスターとして選び、 1970年6月22日に女性コーラス、 1970年7月18日に管楽器(とパーカッション?)、 1970年7月22日に管楽器、パーカッション(+Bone?)とベース をオーバーダブしたあとに、 放送禁止用語とイントロ部分を編集して オリジナル・レコード・マスター(→)を完成しました。 「Essential Elvis Vol.4」のブックレットに載せられた16Trテープの画像(↓)を よく見れば、6月5日のベース(3番目のトラック)がダメ出しされて、 おそらく7月22日のもの(16番目のトラック)に差し替えられたと思うのですが 16番目のトラックは「BRASS」にも読めて悩まされるのです。 「Bone」(15番目のトラック)は、カスタネットなどの打楽器を指す言葉ですが どなたか「mojo」の中に聞き取れる方がいらっしゃいましたら御一報ください。 |
Got My Mojo Working / Keep Your Hands Off Of It (オリジナル・レコード・マスター) | |
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2.ちぐはぐな感じ 私はFTD「Love Letters From Elvis」Disc2 の4曲目に収録された 「Undubbed Master」の出だしの部分をこんな風に聞き取っています。 フェイド・インから8秒目まで ♪ Well you're mine all mine no matter what you do と 歌っていて、一応バンドとの息が合っています。 ところが・・・ 8秒目から約28秒目まで ♪ I got my mojo working 〜 と歌い出すのですが バンドは「知らないか」のように演奏を続けています。 エルヴィスが「タン、タン」だか「トゥン、トゥン」と歌い、 これは特にドラムに調整を促しているかのように聞こえます。 約29秒目から エルヴィスの「Ho!」の掛け声からバンド全員が「気付いたかのように」 「Got My Mojo Working」モードに演奏を切り替えます。 つまり私の頭に何が思い浮かんでいるかと言うと、 フェイド・インで始まる「Got My Mojo Working/ Keep Your Hands Off Of It」は 最初に「Got My Mojo Working」ではなく、 これとそっくりな「Hands Off」(CD「The Home Recordings」収録)で 歌い始められていたのではないかと考えているのです。 メドレー形式で表現するのであれば 「Hands Off/ Got My Mojo Working/ Keep Your Hands Off Of It」ですね。 まあ、別の音源を参考にすると、最初はエルヴィスがオフマイクの状態から 演奏に加わって来ますので、別の解釈も出来るのですけど。 |
FTD「Love Letters From Elvis」 「The Home Recordings」 | |
3.バージョン違いの楽しみ方 FTD「Love Letters From Elvis」 (→)には 2種類の「Got My Mojo Working/ Keep Your Hands Off Of It」が聞かれ、 Disc1 の4曲目にオリジナル・レコード・マスター Disc2 の4曲目にアンダブド・マスターが入っています。 a.オリジナル・レコード・マスター イントロ部分の ちぐはぐな感じ をカットし、 2分39秒〜2分54秒(オリジナル・レコード・マスターでの時間)を 自らの0分56秒〜1分11秒に差し替えて、 その部分で聞こえた放送禁止用語をカットしました。 約3分06秒目から女性コーラスの誰かが笑っているのが 右チャンネルで聞こえますね。オーバーダブならではと言うか、 この辺のリラックスした感じは、エルヴィスとの同時録音では聞けません。 |
FTD「Love Letters From Elvis」 | |
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b.「Essential Elvis Vol. 4: A Hundred Years From Now」バージョン 1996年に発売された Essential Elvis Vol. 4 には、「Undubbed/Unedited Master」とされるバージョンが発表されましたが、 放送禁止用語が削除されているので、コアなファンはこれが「Unedited」ではないことを知っていました。 私もコアなファンに交ぜてもらえると思いますけど(笑)、オリジナル・レコード・マスターに比べれば イントロ部分が復活していますし、放送禁止用語の部分でボーカルのボリュームを絞ったことは「BMGの良心」と 判断していましたので、「Unedited」と表記されるのも致し方ないことと考えていたのです。 しかし今回、放送禁止用語が FTD「Love Letters From Elvis」 で発表されましたので、それならばと Essential Elvis Vol. 4 をじっくりと調べ直してみたら・・・ なんだよ、ボーカルを絞ったんじゃなくて、また新たに編集しているじゃねえかよ! Essential Elvis Vol. 4 のバージョンは、3分26秒(Essential Elvis Vo.4での時間)から約1.8秒間、「sweet as she can be」の歌詞を、オリジナル・レコード・バージョン同様に、1分42秒付近の「sweet as she can be」に差し替えてあったのです。 「BMGの良心」などと自分を納得させていた私がバカでした。 そしてまた、今回 FTD「Love Letters From Elvis」 で発表された「Undubbed Master」に「Unedited」が付いていないことを深読みしなければならなくなったのです・・・(これはまた参考になる新譜が出たときにでも) |
Essential Elvis Vol. 4 | |
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