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| Memphis Tennessee : The Lost Tapes ＞ 1963年5月27日前半 |
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◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ FTD盤の聞き方 〜 第3回 〜 1963年5月27日ナッシュビル・セッション＃１ ◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ | ||
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1963年5月27日の1曲目 （PPA4-0302） 「Memphis Tennessee （メンフィス・テネシー）」 FTD「Memphis Tennessee」には、全テイクが収録されています。 Disc1 Track16 (Rejected) Master Take2 Disc2 Track10 Take1.FS&PB 【エコー処理の理由】 「Memphis Tennessee」の1963年5月27日バージョンが、初めて公式発表されたのは1991年発売の3CDs「Collectors Gold」Disc2だったのですが、ここに収録された「Rejected Master（没マスター）テイク2」には深いエコー処理が施されていました。このエコー処理の理由をいろいろと考えてみると・・・ １．同日録音の「Blue River」の音が歪んでいたことが既に頭にありましたから 1963年5月27日のセッションで回されたテープレコーダーに不備があって エコーで誤魔化さなければならない音質のマスターテープとなってしまい、 この日の「Memphis Tennessee」が没になったのではないかと思いましたが FTD「Memphis Tennessee」で発表された「Rejected Master」の音質には 何の問題もありません。 よって「セッションで回されたテープレコーダーの不備説」は消えました。 ２．没とは言え、RCAは1963年5月27日バージョンもしっかりとファイリングしており、 モノラルの時代からRCAが人工的に加えていたエコー「リバーブ」が 「Memphis Tennessee」のマスターテープにも加えられていた可能性がありますけど 3CDs「Collectors Gold」に加えられていたエコーとは毛色の違うものなので 「オリジナル・エコー（リバーブ）説」も消えました。 ３．アセテート盤音源のざらつきを誤魔化すために エコー処理を施したのではないかとの推測が出来ますが、 3CDs「Collectors Gold」が発売された翌年(1992年)に 5CDs「50's Masters」でテイク1が発表され、 こちらにはエコーが掛けられていなかったので、 既にセッションテープが発掘されていたこともわかります。 2009年1月の時点でエコー処理の理由をまとめるとすれば・・・ Ａ．1980年代後半に発掘されたテイク1はテープが残ったものの、 没マスターテイク2のテープは海賊盤業者？に渡ってしまって、 3CDs「Collectors Gold」に収録する時点で、没マスターテイク2は アセテート盤音源しかBMGの手元に残っていなかった。 Ｂ．エコー処理はあくまでも3CDs「Collectors Gold」独自のものであり 音源の音質には関係が無い。 可能性は「Ａ」が50%で「Ｂ」が45%ってところでしょうか。 どなたか残りの5%を埋めてください（笑） |
 FTD「Memphis Tennessee」  「Collectors Gold」  ファイリングされた没マスター Take1.PB | |
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1963年5月27日の2曲目 （PPA4-0303） 「(It's A) Long Lonely Highway （はてしなきハイウェイ）」 FTD「Memphis Tennessee」には、全テイクが収録されています。 Disc1 Track07 Album Master Take2 Disc1 Track24 Single Master Take1 【はてしなき憶測】 1964年発売LP「Kissin'Cousins」で発表された「Long Lonely Highway」はマスター（テイク2）なのに、1965年にシングル盤で発売された同曲はテイク1でした。 【憶測パターン１】 1965年当時、ザ・ビートルズ等、他アーティストの作品では、アルバムとシングルでは別ミックスを発表するケースが多々ありましたので、「エルヴィスの作品も」とRCAが決断して、シングル盤には「Long Lonely Highway」の別テイク1を収録したパターン。この憶測を後押しするのはカップリングされた「I'm Yours」が、アルバム「Pot Luck」のダブル・ボーカル・バージョンではなく、シングル・ボーカル・バージョンだったことなのですけど。。。 【憶測パターン２】 RCAのミスで、シングルにテイク1が発表されてしまったパターン。 1963年5月27日のセッションが終わって、各曲のマスター・テイクがハサミで切り出され、1本のマスター・テイク集にまとめられた。また、ハサミで切り落とされた別テイクのテープも別テイク集としてつなぎ合わされたが、通常、マスターよりも別テイクを録音したテープの方が長いので、別テイク集は1本ではなく数本のテープにまとめられた。まあ、ここまでが「ほぼ事実」と思われる内容ですが、ここからが「素晴らしい憶測」のスタートです（笑） 録音順から考えて「Long Lonely Highway」の別テイクは、「Memphis Tennessee」の別テイクと「Ask Me」の別テイクに挟まれる形で1本の別テイク集となった。偶然にもこの3曲はテイク2がマスターに選ばれているので、別テイク集にはこの3曲のテイク1がつなげられ、またまた偶然にもテイク1は全て歌い切られていた(PB:プレイバック)・・・ つまり私が考えた「ミスの理由」は、録音から2年も経った時期にシングル化することになり、RCAの担当者が倉庫で見つけた別テイク集をマスター・テイク集と勘違いしてマスタリングしてしまったと考えているのですけど・・・間違っているとしても、これは面白い分析でしょっ！ 同じ考え方から、1963年5月27日の「Memphis Tennessee」と「Ask Me」が共に没バージョンになっているので、別テイク集の先頭に「Long Lonely Highway」のテイク1が収録されている可能性も導き出せますよね。 テープの管理が充分でなかったことは、映画「Tickle Me」に使われたオーバーダブ・バージョンの元になったのはテイク2で、イギリスで発売されたEP「Tickle Me」にはテイク1が収録されたことにも表れていますけど、あ〜あ、どこかにテープ・ボックスの画像が落ちていないでしょうか（笑）・・・こういった憶測には一目で答えが出るのですけどねぇ。 |
Album Master Take 2
1963年5月27日セッション・テープ
Memphis Tennessee Take1.FS&PB Take2.M (It's A) Long Lonely Highway Take1.PB Take2.M Ask Me Take1.FS&PB Take2.M ↓ （2つのテープ・ボックスに分割）
マスター・テープ集
Memphis Tennessee Take2.M (It's A) Long Lonely Highway Take2.M Ask Me Take2.M
別テイク集
Memphis Tennessee Take1.FS&PB (It's A) Long Lonely Highway Take1.PB Ask Me Take1.FS&PB | |
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1963年5月27日の3曲目 （PPA4-0304） 「Ask Me （アスク・ミー）」 FTD「Memphis Tennessee」には、1963年5月27日の全テイクが収録されています。 Disc1 Track17 Master Take2 Disc1 Track31 Take1.PB Disc2 Track14 Take3.LFS Take4.PB Disc2 Track15 Take5.LFS Take6.FS,FS&Alternate Master 【データ的なところ】 「Ask Me」のテイク2を歌い切ったところでこの日のセッションは、「Western Union 」、「 Slowly But Surely」、「Blue River 」と続けられ、セッションの最後で「Ask Me」のテイク3〜6を録音しました。このようにテイク2がマスターとして選ばれた後に、最後のテイク6もマスターに選ばれることになったために、テイク6は「Alternate Master」と呼ばれています。 両マスターテイクともアセテート盤が作製され、海賊盤「Memphis Tennessee」で発表されました。3CDs「Collectors Gold」で発表されたテイク2にエコー処理がされていた理由は、「Memphis Tennessee」と同じと考えていれば良いと思います。 【尋ねられても分からないところ】 RCAにファイルされた1963年5月27日の「アスク・ミー」は、2分13秒であることが分かりますが（→）、この収録時間はテイク2(約2分7秒)よりもテイク6（約2分14秒）に近いのです。 まあ、1963年5月27日の「アスク・ミー」に関しては、これからも何かありそうだなと。 |
FTD「Memphis Tennessee」  ファイリングされた没マスター | |
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もくじ 1963年5月26日＃１ 1963年5月26日＃２ 1963年5月27日＃１ 1963年5月27日＃２ 1964年1月12日＃１ Copyright(C)2008 - What a Wonderful Life.All rights reserved. 転載厳禁 | ||