「闇に響く声」セッション:5日間の記録 > セッション2日目 |
◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ 余分な話 〜 第2回 〜 「闇に響く声」セッション:5日間の記録 ◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ 2.セッション2日目 1958年1月16日(午前9時〜午後5時30分) ハリウッドのラジオ・レコーダーズ・スタジオ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【ちょっとしたことなので、あまり語られていない情報】 「G」 Dixieland Rock 「ディキシーランド・ロック」は、1965年に「SPA3 6769」という新たなマトリクス・ナンバーが与えられました。 1965年と言えば、サントラセッションのみで、RCA向けの曲が録音されなかった年であり、 LP「Elvis For Everyone」にサン・レコードの「Tomorrow Night」まで引っ張り出してきた年です。 一切そんなデータがないので私の想像に過ぎませんが、現在も未発表である「マスクラット・ランブル(L-1)」へ 同時に「SPA3 6770」を与えているので、この2曲をミックスする計画でもあったのでは無いかと思うのであります。 ちなみに1965年には「Santa Lucia」にハーモニカとアコーディオンのオーバーダブを施しましたが、これもお蔵入りしています。 下のシートに見える「1958年5月12日」とは、パラマウントから送られたテープをRCAがマスターとして登録した日であり、 残響音「リバーブ」もこの時に加えたものと思われます。 |
Dixieland Rock (Movie) Dixieland Rock (Record) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「H」 Lover Doll 映画バージョン「H」の「ラバー・ドール」は、「ソロ」で歌われました。 アメリカでは発売されませんでしたが、ドイツではこのアンダブド「H バージョン」がシングルカットされたようです。 海賊盤「From The Beach To The Bayou」には、「Young Dreams」の曲コード「トラックQテイク・エイト」のアナウンスに続けて「Lover Doll」を収録する「捏造」が行われたのですが、これを信じてしまっているファンが、YouTubeに作品(→)をアップしていますね。 |
Lover Doll (Movie) |
It's not "Q-take8" | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「J」 Don't Ask Me Why 「訳はゆるして」は、「冷たい女」とのカップリングでシングルカット(47/20-7280)されました。 映画バージョンには、ギターのイントロ(?)が追加されています。 |
Don't Ask Me Why (Movie) |
Don't Ask Me Why (Record) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「K」 As Long As I Have You 「K バージョン」の「きみと生きる限り」は、映画とオリジナルLPの両方で使用されましたが、映画バージョンには長めのイントロ(?)が加えられています。 |
As Long As I Have You (Movie) |
As Long As I Have You (Record) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「L」 Muskrat Rumble (Instrumental) 「マスクラット・ランブル(インストルメンタル)」は、映画でもオリジナルLPでも使用されませんでしたが、 RCAは1958年にマスターテープを受け取っており、1965年にマトリクス・ナンバー「SPA3 6770」を与えています。 「Muskrat Rumble」はテープボックス(↓)で「South Rampart St.Blues」という聞き慣れない曲名で誤記され、その後訂正されています。 「South Rampart Street Parade」であればまだしも、、、 |
SPA3 6770 Muskrat Rumble | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【私の憶測】 まず最初の疑問。下に示しました「South Rampart St.Blues ? - Muskrat Rumble」は誰が書いたメモなのでしょう? RCAのマトリクスが見えますから、私にはこのように読めます。 「パラマウントから「L」は「South Rampart St.Blues」と聞かされていたけど、これ、「Muskrat Rumble」じゃないのか?」 とRCAの担当者が書いたのではないでしょうか。 更に憶測が暴走します(笑) 「闇に響く声」セッションでは、マトリクス・ナンバーが発見されないものの「Bourbon Street (Parade)」(ジャズ)が 録音されたという噂を聞いています。「Bourbon Street」がしっかりと頭に入っていないので私には分からないのですけれど DVDを丹念に調べれば、演奏されているのかも知れません。 私がもしも映画監督であったら、バーボン・ストリートでロケをした場面にはBGMに「Bourbon Street」を使用し、 サウス・ランパート・ストリートで撮影すれば「South Rampart Street Parade」をバックに流すでしょう。 そのように考えると、パラマウントのマトリクス「L」に録音されるべきは、「Muskrat Rumble」ではなくて もしかして「South Rampart Street Parade」だったのではなかったのかと疑いたくなります。 「赤狩り」後の映画ユニオンは、言ってみればお墨付きをもらったような強さを保っていましたし、 間違ってでも、ひとたび録音してしまえば、それを「無かったことに」と許してくれるとは思えません。 「Muskrat Rumble」が、演奏の前に「くち三味線」で確認され、ワン・テイクで完成されているのを考えると この「もしかすると」があり得ない話では無いように思うのです。 ところで、「Muskrat Ramble」と「Muskrat Rumble」のどちらの題名が正しいのでしょうか? ネット検索すると両方ヒットしますね。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「M」 Steadfast, Loyal And True 「さらばハイスクール」は、上に見えるように当初「Farewell Alma Mater (Royal H.S.)」とか「School Song」の題名で呼ばれていて、邦題もこれに従って付けられたことが想像できます。「Loyal」と「Royal」が絡んでややこしいですね。 この「M バージョン」は、録音されたものの使用されずに、お蔵入りしていました。 1997年に発売されたCD「闇に響く声」(18曲入り)では、この「M バージョン」の直前にエルヴィスのチャットが聞こえ、SONY/BMGから発売された「闇に響く声」関連では、これが唯一の「スタジオの様子」となっています。 |
Steadfast, Loyal And True (M-6) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「N」 As Long As I Have You 「きみと生きる限り」の「N バージョン」は、ピアノのみで歌われコーラスも付きません。 いかにも「映画バージョン」といったアレンジなのですが、使用されずにずっとお蔵入りしていました。 劇中では、キャロリン・ジョーンズがソロで歌う場面がありますので、エルヴィスからキャロリンへと脚本が変わったのかも知れませんね。 台詞の延長上にあるようなキャロリンの歌に関してですが、見つかっても良いはずのパラマウントの曲コードは依然不明です。「台詞扱い」なのかな? |
As Long As I Have You (N-8) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【CD・DVD別のバージョン説明】 CD01 (オリジナルLP) 「KING CREOLE」 1958年発売 全11曲
CD02 「ESSENTIAL ELVIS VOL.3:HITS LIKE NEVER BEFORE」 1990年発売 全24曲 「闇に響く声」関連は、9曲。全てオリジナルLPのマスターとは、別バージョン。
CD03 5CDs「ELVIS,THE KING OF ROCK 'N' ROLL-THE COMPLETE 50'S MASTERS」 1991年発売 全140曲 DISC4 「闇に響く声」関連は、オリジナル11曲+「ダニー (U-10)」の12曲。 パラマウントのテープを使用しているので、オリジナルLP/CDに比べ、残響音が少ない。 DISC5 「闇に響く声」関連は、2曲。 テープをソースにしたように解説されているが「AS LONG AS I HAVE YOU」に関しては疑わしい。 24.KING CREOLE (E-03) 25.AS LONG AS I HAVE YOU (N-08) CD04 「KING CREOLE (UPGRADE)」 1997年発売 全18曲 オリジナル11曲+「ESSENTIAL ELVIS VOL.3」から別テイク7曲。5CDs「50's Masters」同様、残響音が少ない。
CD05 4CDs「TODAY, TOMORROW AND FOREVER」 全100トラックの4枚組CDで、「闇に響く声」関連作品はたったの1曲だけ。 Disc1-Track22に、「STEADFAST, LOYAL AND TRUE (Undubbed Master)」が収録されています。 これは、1958年2月11日にパラマウント・サウンド・ステージで録音された「T」バージョンです。 DVD DVD「闇に響く声」 エルヴィス以外の音楽に疎い私には、タイトルが分からないインストルメンタルが何曲も含まれています。 クラブの楽屋の場面では、何かしら聞こえていますね。 録音を噂される「BOURBON STREET」なんて曲も、この中に含まれているのでしょうか? 過去にあまり語られたことはないと思いますけど、、、「31.AS LONG AS I HAVE YOU」の直前、 ドロレス・ハートがエルヴィスの楽屋へ訪れる場面で「ダニー」のトランペット演奏が聞かれます。 ドロレス・ハートが「ダニー」と呼びかけますし、おそらく脚本上「ダニー」の場面なのでしょう。
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